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下絵の世界

下絵の世界

日本の書物では、金や銀の絵の具である金泥(きんでい)・銀泥を(ぎんでい)を用いて、あらかじめ花鳥や山水など様々な絵や模様などを加えることも良く行われました。文字を書くと、それらは文字の下になることから、このような料紙の装飾を「下絵(したえ)」と呼びます。

平安時代頃のものから見ることができ、やはり江戸時代の17世紀頃の豪華本で事例が多いものです。漢詩や和歌を書きとどめるための紙片である短冊(たんざく)や色紙(しきし)の下絵を含めて、基本的に文字で書かれた内容とその部分の下絵には関連がないのが普通です。

まれに文字の内容と下絵とに関連が認められることがありますが、その殆どが下絵がない本の価値を高めるために、後になって下絵を加えたものです。当然文字の下に絵の具を入れることはできないので、文字の上に絵の具が乗っていたり、文字を避けるようにして絵を加えたりしています。その点に注意すればその識別は容易です。

厳密には下絵ではなく、「表紙模様」とでも言うべきですが、表紙に下絵と同様に金銀泥などで絵や模様が加えられたものも、17世紀を中心として多くの事例が存しています。

ビデオでは後から入れたものを含めて、様々な下絵のある美しい作品をご覧ください。

ビデオの2:30あたりで、下の図のように「白駒」の文字を見ることができます。そして、その白駒の絵が下絵として描かれていることを見ることができます。

book 図1 白駒の文字と下絵

ビデオで紹介されている書物

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古書から読み解く日本の文化: 和本を彩る和紙の世界

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