Skip main navigation

日本の書物と文字

日本の書物と文字

日本の古典籍は作り方、大きさ、表紙のデザインなどが非常に多彩です。これは近隣の中国や朝鮮半島では見られない特徴です。このことは日本の書物の歴史の独自性を示すと共に、日本の文化のあり方を象徴しているとも言えるでしょう。

書物と歴史

Hekianshō 図1. 僻案抄
Click to take a closer look

書物は製作された時代と深くかかわっています。この『僻案抄(へきあんしょう)』(図1)は、文明13年(1481)に飛鳥井雅康(あすかい まさやす)という、和歌と書道の専門家であった公家によって写された和歌集の注釈書です。大変上質な厚い斐紙を用いて、美しい文字で書かれています。11年間も続いた規模の大きな内乱である応仁文明の乱が文明9年(1477)に終わって4年後のことです。この乱で京都は焼け野原となりましたが、この様な中で特に生活に必要ではない内容の本が作られているのです。この時期にこんな立派な本を欲しがった人物は、戦乱を勝ち抜いた地方の有力な武士であったと考えられます。この本の立派さは、戦争に明け暮れていた武士達の公家文化への憧れを象徴しているのです。 

ビデオで紹介している、多種多様な内容や形の和本を実際にご覧ください。これらの書物についてこれから3週間のコースで詳しく説明していきます。

Step1.2で皆さんに紹介していただいた本について思い出してみてください。このビデオをみて、何か気がついたことや、新しい発見があったらコメント欄に書き込んでみてください。

日本の歴史

本題に入る前に、日本の各時代の名前を紹介します。このコースを学んでいく上で便利な資料となるはずです。

約3世紀―7世紀 古墳時代
592年―710年 飛鳥時代
710年―794年 奈良時代
794年―1185年 平安時代
1185年―1333年 鎌倉時代
1333年―1392年 南北朝時代
1392年―1573年 室町時代
1573年―1603年 安土桃山時代
1603年―1868年 江戸時代
1868年―1912年 明治時代

ビデオで紹介した書物

ビデオで紹介した書物に興味のある方は、タイトルをクリックして閲覧してみましょう。

1. 短冊手鑑 2. 歴代君臣図像 3. 平家物語
4. 厳島詣記 5. 詠歌大概 6. 金葉和歌集
7. 源氏物語系図 8. 起世因本経 9. 源氏物語秘訣
10. 竹取物語 11. 大般若波羅蜜多経 12. 四分律
13. 僻案抄 14. 古今和歌集 15. 法華経単字
16. 貞観政要 17. 源氏のこかゝみ 18. 京大絵図
19. 梅園奇賞 (*1) 20. 集古十種稿 21. 新古今和歌集
22. 和謌秘抄 23. 平家物語 24. 中しやう姫
25. 名所風俗金王桜    

*1)ここ(画像)で紹介している「梅園奇賞」はビデオ内で紹介されているものと(装訂が)異なるタイプですが、中身(本文)は同一です。

書物をさらに「探求」してみましょう

Step1.1でご紹介したように、文中で紹介される殆どの書物(の画像)は ”Click to take a closer look” というリンクをクリックすることで、より大きなサイズでご覧いただけます。リンク先は「Narrative Book Collection (略称: NBC)」と呼ばれるオンライン・ライブラリーとなり、各書物の画像を高画質で鑑賞できるだけでなく、様々な観点から「探求」する機会を提供します。

オンライン・ライブラリー「Narrative Book Collection (略称: NBC)」にどのような機能があるのか、使って体験してみましょう!

NBCには、大きく2つの機能が備わっています。ひとつはBookshelf viewと呼ばれ、各書物がもつ様々な装訂や形態を検索・収集・比較できる機能となり、ふたつ目はBook viewと呼ばれ、書物を1点ごとに、より詳細に見ていくことができる機能となります。なお、NBCで公開されている書物はすべて、本コースで取り上げられている書物となり、NBCは本コースの受講生全員が(コースの受講と並行して)日本の書物が持つナラティブ—内容に加えて、装訂や形態が備える物語性—を楽しむことができるよう、提供されます。 それでは、ここから先は、NBCがどのような場面で活用できるのか、実際に使用して体験していきましょう。

  1. まずは、上記「ビデオで紹介した書物」で挙げられたタイトル“24. 中しやう姫“をクリックしてみましょう。すると、NBCのBook viewにいくことができます(Fig.1参照)。

    nbc screen1 Fig. 1. Narrative Book Collection – Book view

    Book viewでは、各書物の詳細(大きく分けてa , b, c, d, eの5項目)を見ていくことができます。まず a では、その書物のデジタル化された表紙・ページ・裏表紙が列挙され、すべての画像が選択可能です。 b では、選択された画像ならびに題名・奥付けが日本語で閲覧できます。 c では、その書物の内容詳細が閲覧でき、 d では、選択されている画像をより大きなサイズで閲覧(ズーム)できます。そしてeでは、各書物の装訂・形態の特徴に合わせた書物群(Bookshelf viewへのリンク)が表示されており、アイコンごとにクリック可能です。

    表示されている内容には、現時点では聞き慣れない単語・用語があるかもしれませんが、心配は入りません。これからコースを進むに従って学習していくことができ、NBCはいつでもアクセス可能です。

  2. a, b, c, dを楽しんだ後は、eを通じてBookshelf viewにいくことができます。以下の図(Fig.2)に見られるように、殆どの書物は6つのビューポイント [viewpoints](ジャンル [Genre]、タイポロジー [Typology]、タイムライン [Timeline]、カラー [Color]、サイズ [Size]、コンテンツ [Content])を通じて、より沢山の書物を検索・収集・比較していくことができます。

    nbc screen2 Fig. 2. Narrative Book Collection – 6 viewpoints in the Bookshelf view

    まずは「ジャンル」をクリックしてみましょう。

  3. クリックすると、Bookshelf viewに移行します。「中しやう姫」は「絵入り物語 [Illustrated Tales]」に分類されるので、現在Bookshelf viewでは「絵入り物語」に分類された書物が一式、表示されています。

  4. それでは次に、一度Book viewに戻ってから「カラー」 アイコンをクリックしてみましょう。すると、Bookshelf viewで今度は(その書物を代表する)色味で分類された書物を一式、閲覧することができます(Fig.3参照)。

    nbc screen3 Fig. 3. Narrative Book Collection – Bookshelf view, choosing Genre (left) / Color (right)

    このように、コース本体とNBC(Book viewならびにBookshelf view)を行き来することで、6つのビューポイントをはじめ、様々な観点から書物を「探求」することができます。

  5. それでは続いて、複数のビューポイントを組み合わせてみましょう。

    Bookshelf viewでは、複数のビューポイントを組み合わせることができます。試しに、2つのビューポイントをクリックし、併せて「タイムライン」のスライドを左右に動かしてみましょう。まずは1)「絵入り本 [Illustrated books]」をクリックしたのち、2)「タイムライン」を江戸時代に設定、最後は3)「袋綴 [Fukurotoji]」をクリックしてみましょう。 これで合計3つのビューポイントが組み合わさり、書物が分類されました。 なお、選択を解除したい場合には、上部Filters欄に表示される選択肢をクリックすることで、簡単に解除することが可能です(Fig.4参照)。

    nbc screen4 Fig. 4. Narrative Book Collection – Bookshelf view, cross-search

    重ねての案内になりますが、「袋綴」を含めて、専門的な単語・用語は、これからコースの中で学習するので、心配は無用です。例えば、「袋綴」はStep 1.12で紹介されます。

  6. 最後に、各書物をより深く「探求」してみましょう。

    今回はまずBookshelf viewにいき、そこからあなた自身が気に入った書物(の画像)をクリックします。次に、表示されるWindowの ”Take a Closer Look” と書かれたリンクをクリックすることで、Book viewにいきます(Fig.5参照)。そして、Book viewを楽しんだ後は、前述した項目 c にある「FutureLearn」(コースページへのリンク)を通じて、該当する書物が登場するステップを訪問することができます(Fig.6参照)。

    nbc screen5 Fig. 5. Narrative Book Collection – “Take a Closer Look” leads you to Book view

    nbc screen5 Fig. 6. Narrative Book Collection – Link to FutureLearn Course Step

    以上の手順により、NBC(Book viewおよびBookshelf view)は、書物のもつ多種多様な魅力を引き出し、何より受講生の皆様がより深く、楽しく、そして皆様ならではの方法で書物を「探求」できる環境を提供します。

あなたの体験をコメントで投稿・共有してみてください

NBCはいかがでしたでしょうか? NBCには様々な使い方や楽しみ方がありますが、例えば、Bookshelf viewの右上メニュー欄にある「Share your Findings」ボタンを通じて、ビューポイントの組み合わせ/設定をURLで保存・共有することもできます。是非、お試しください。 他にも、あなたならではの使い方、楽しみ方、発見等ありましたら、コメント欄で投稿・共有してみてください。

NBCを通じて、皆様の学習体験がより深まることを願っております。

This article is from the free online

古書から読み解く日本の文化: 和本の世界

Created by
FutureLearn - Learning For Life

Reach your personal and professional goals

Unlock access to hundreds of expert online courses and degrees from top universities and educators to gain accredited qualifications and professional CV-building certificates.

Join over 18 million learners to launch, switch or build upon your career, all at your own pace, across a wide range of topic areas.

Start Learning now