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共有に焦点をあてた展覧会:振り返り

「オブジェクト・リーディング: 精読八景」「うさぎの潜む空き地」2つの事例から学ぶことができたことを振り返っていきましょう。
このアクティビティでは、「精読八景」展と、「うさぎの潜む空き地」展を例にとって、共有に焦点をあてた展覧会についてみなさんと考えてきました。

「精読八景」は、共有という枠組みの中でKeMCoが最初に試みた展覧会で、「空き地」にモノを持ち寄るお祭り、という祝祭的な場を作ることができました。「うさぎの潜む空き地」では、その祝祭性をお正月の展覧会という形で引き継ぎながら、さらに干支(うさぎ)という解りやすいテーマを加えて発展させました。

このステップでは、もう一度、これらの試みで発見したことを振り返ってみましょう。

大きなテーマの設定

「うさぎ」というような、解りやすく気軽で大きなテーマであれば、展覧会に出品するモノも気軽に決めることができます。また、テーマが広いだけに、通常の展覧会のように、主催者がオブジェクトを指定する「出品依頼」ではなく、それぞれのコミュニティの中で出品するものを考えて選んでもらうことになります。持ち寄るものをそれぞれが選ぶ、ということは、いわば展覧会のキュレーションを共有することであり、展覧会への関わりが一気に深まります。展覧会を自分たちの場所だと捉えられれば、大事なものを持ってきやすくなる。「面白い資料だけれども、なかなか外部に共有する機会がない」というものが出てくる機会にもなります。

後景としての展覧会テーマ

今回とりあげた展覧会で印象的だったのは、展覧会のテーマではなく、持ち寄られた個別のオブジェクトについて話が展開し、さまざまな語りが共有されていたことです。持ち寄ったモノを見せあい、人々とコレクションが交流する場として展覧会が機能していました。設定されたテーマが大きく、出品資料のジャンルが多岐にわたっていたことが、1つの大きな要因だと考えます。会場に並ぶモノによい意味で統一感がなく、テーマに回収されすぎない。すると、オブジェクトの個別的なモノ性が際立ち、そのモノが何なのか、そしてどこから来たのかということに意識が向きます。つまり、展覧会のテーマが後景化することにより、持ち寄られたモノが所属しているコミュニティが前景化していくということになります。

まとめ

展覧会のテーマよりも、個々のモノが主役となるような環境を調えることで、モノが属するコミュニティが可視化された、オブジェクトを持ち寄りやすい(共有しやすい)展覧会を作ることができる。これが、KeMCoが「精読八景」展と「うさぎの潜む空き地」展から得た学びです。
「展覧会のテーマよりも、個々のモノが主役となるような環境」を作り、充実させるためにはどうしたらよいのか。また、このような狙いをもった展覧会に、どのように来場者を巻き込んでいけるのか。

次のステップでは、みなさんのアイデアを伺ってみたいと思います。

This article is from the free online

大学ミュージアムにおける創造的「空き地」の実践:コレクション・マネジメントへの新しいアプローチ

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