KeMCoMプロジェクト: 学生スタッフが果たす役割

KeMCoMとは？

愛称となるKeMCoMは、KeMCoにMembersの「M」を足すことで、KeMCoのMembersであることを表しています。また、「M」はMaterialやMake、Magicalの頭文字でもあるので、さまざまにモノ・コトを生み出していきたい、という意味（Meaning）も込められています。
発案者：Kaho Kobayashi （KeMCoM 第一期メンバー）

KeMCoMプロジェクト

KeMCoMプロジェクトは、専攻分野やキャンパス間の垣根を超えて、塾生（学部生・大学院生）がミュージアムにおける展示・収蔵の実践と間近に接しながら、それぞれが知識、経験、あるいはスキルを共有し、メディア横断的な創造を展開しています。特徴のひとつは、完成形にとらわれず、絶えずプロトタイプを作成しながら他者のフィードバックを受け、そこから得た新たな知見・発想を基に繰り返し改善していく、柔軟なプロセスを採用している点です。

KeMCoMプロジェクトの学生たちは、KeMCo StudI/Oをはじめ館内の制作環境を活用し、教職員やその他のステークホルダーとともに文化・芸術とファブリケーション（ものづくり）の新しい可能性を探求しながら、KeMCoが行う活動への市民参加を促進しています。プロジェクトの活動は多岐にわたり、展示に触発されたARフィルターやプロジェクションマッピングなどのデジタルコンテンツの作成から、ワークショップやイベントの企画・運営まで、幅広い分野に及びます。そのあらゆる活動が、KeMCoに新鮮な視点を吹き込み、KeMCoが従来の美術館の来館者とデジタル世代の両方にアピールする魅力的な空間を提供しています。

活動内容（一例）

展示をはじめ、KeMCoの教育・研究活動をより多くの人々に届けるため、学生たちは、工夫を凝らしてデジタル技術を活用しています。一例として、以下の活動を展開しています。

Kawaii Contents

日本ならではの美意識と現代の流行やファッションを融合させたコンテンツを制作、発信しています。InstagramのARフィルターや様々なSNS投稿で共有される「かわいい」コンテンツを通じて、身近で気軽に展示作品を楽しめる施策を盛り込んでいます。

3D Representations

3Dモデルや3Dバーチャル展示などの3D表現を通じて、リアルとデジタル両方のチャンネルで、ミュージアム鑑賞体験を創出しています。3D表現によって、展示作品に新たな視点を見出し、ユーザーがより詳細に、あるいは複数の角度から作品を探求することを可能にし、アクセシビリティとインタラクティブ性を高めています。

Aesthetic Visualizations

プロジェクションマッピングやデジタル可視化を通じて、フォトジェニックでインタラクティブな体験を提供しています。若い世代を引きつけるだけでなく、歴史的な資料や美術品をデジタル技術で復元・再現することで、新たな視点から作品の魅力を伝えています。

学生主導の「ピア・ラーニング（仲間とともに学ぶ）」と「クリエイティブ・ラーニング（創造的に学ぶ）」の概念を取り入れることで、学生スタッフKeMCoMは、KeMCoの市民参加を促進するうえで中心的な役割を果たしています。彼女・彼らの関与は、大学ミュージアムであるKeMCoが、あらゆる年齢層の観客にとって、relevant でaccessible、かつ魅力的な存在となるための原動力となっています。KeMCoMプロジェクトを通じて、学生はそれぞれの興味関心や専門知識を実践的な場で共有・応用し、KeMCoの展示をより豊かでインタラクティブなものにしています。このプロジェクトは、学生が主体的に学び、成長できる環境を提供するだけでなく、KeMCoにとっても新たな視点やアイデアを取り入れる貴重な場（空き地の一角）となっています。