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「空き地」をデザインする

「空き地」をどのようにデザインするべきか、エデュケーターがトークします。
コースも終盤になってきました。「空き地」をどのようにデザインするか考えてみましょう。

渡部:
コレクションに関わるさまざまな活動を共有していくとき、「空き地」には、システマティックな共有の方法がありません。だから、その時々に自分で共有の方法を考えて進んでいくことになります。考えながら進むことは、モノやコレクションを自分事として、主体的な態度で捉えることです。これは、自分を通してコレクションを現在に接続し直していく行為とも言い換えることができます。

本間:
このような「システマティックではない」共有を展開していく環境、「空き地」は、どのようにデザインすることができるでしょうか。前のステップで、さまざまなリソースを共有するアイデアを出してもらいましたが、実際に共有を進めるためには、どのような環境や仕組みを整えればよいでしょうか。

渡部:
KeMCoでは、まず第一に、共有しても安心だ、という物理的・心理的に安全な場所を作ることが重要だと考えています。自分たちのコレクションが安全にハンドリングされ、そして、コミュニティの価値観が尊重され、ルールを無理に押しつけられないことを信じられる「空き地」であること。そのような基本的な環境を調えた上で、次の段階として、共有することの価値を伝え、一緒に作っていくことが必要と感じています。

また、共有の価値を伝えるためには、アウトプットだけではなく、プロセスをオープンに見せることも重要です。完成したものだけが見えている状態だと、すでに「空き地」にきたことのある人以外には入りづらい場所になってしまう。プロセスが開示されていると、途中からでも入りやすいですよね。

本間:
「空き地」のメンテナンスを考える上では、いろいろな共同的なリソース管理のありかたも参考になるかもしれませんね。コモンズ(入会地)の管理のありかたや、個人的には、街中のコミュニティ・ガーデンの運営の方法も参照してみたいと思っています。

またKeMCoは、「空き地」として機能する物理的な場所をもっていますが、新しい施設やハードウェアが必要というわけではない、というのはポイントかと思います。これまでみなさんと見てきたような、展覧会やラーニングといった活動自体は、コレクションの周りですでに行われているものです。

渡部:
このコースで提案するのは、そのような活動を「空き地」における共有という枠組みでリフレームすることです。日々、実践している活動を今一度、新しい視点から見てみる。

新しい場が必要なのではなく、ここは「空き地」と考えてみることから始めてみてはどうでしょうか。

アイデアを共有しましょう

あなたはどんな「空き地」をデザインしたいと感じましたか?
アイデアをお聞かせください!

This article is from the free online

大学ミュージアムにおける創造的「空き地」の実践:コレクション・マネジメントへの新しいアプローチ

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