記事: 抗菌薬適正使用支援の主な問題

• 一次医療での抗菌薬の処方が最適ではない可能性が高い:「一般医から何種類もの抗菌薬を処方されました」
• 抗菌薬と薬剤耐性に関する患者の知識の欠如と、治療に関する意思決定への関与の欠如:「何か言うべきだったと思いますが…担当医が一番よく知っています」
• スタッフの知識不足と薬剤耐性への懸念の欠如:「それほど心配すべきものではありませんでした」
• 微生物学者からの抗菌薬に関する助言と、地域の抗菌薬治療ガイドラインが遵守されていない:「そのようなケースで彼が通常使用する広域抗菌薬」 抗菌薬治療の期間:「彼は通常およそ14〜28日と指示します」
• (治療ではなく) 予防のための抗菌薬の不適切な使用が示唆されている:「病院のポリシーにはありませんが、彼はこのような感染症の予防に [広域抗菌薬を] 好んで使用しています」
• このビデオには、医師と薬剤師 (または抗菌薬適正使用支援チーム) が処方を最適化するために協力しているエビデンスがない。

例えば、このアウトブレイクシナリオのような薬剤耐性菌感染症の局所的増加や、全国レベルでの、患者、親族、メディアやその他からの懸念などの、予期しない「危機」が発生しない限り、抗菌薬適正使用支援が適切に考慮されないことがよくあります。このビデオに登場する病院には抗菌薬適正使用支援チーム (AMT) が存在するにも関わらず、第1週目の「ウォームアップ練習」であなたが特定した警告サインには気付かなかったおよび/または対応しなかったため、危機が生じました。

抗菌薬の使用はすべて環境に影響を及ぼしますが、一般的に、フルオロキノロン、β-ラクタム系/β-ラクタマーゼ阻害剤、セファロスポリン、カルバペネムなどの広域抗菌薬は、ベンジルペニシリン、トリメトプリム、テトラサイクリンなどの狭域抗菌薬に比べて、薬剤耐性の選択につながりやすく、ヒトと環境中の微生物叢へのより大きな影響のため、クロストリジウム・ディフィシルを引き起こす可能性が高くなります

広域抗菌薬の使用は、それを使わなければならない重度の感染症または薬剤耐性菌感染症の患者に限定すべきです。可能な場合で、臨床的に安全である場合は常に、利用可能な最もスペクトルの狭い抗菌薬を使用すべきです。抗菌薬治療に指針を与え、重要な疫学的サーベイランスデータを提供するために、抗菌薬治療を開始する前に、可能な場合は必ず適切な微生物学的検査を行う必要があります。

病棟レベルでは、抗菌薬を適切に処方するための鍵となるさまざまな技能を有する医師 (または他の処方者) と薬剤師 (可能な場合) および/または抗菌薬適正使用支援チームが、協力し合うことが重要です。

組織レベルでは、抗菌薬適正使用支援チームは、例えば、地域の抗菌薬ガイドラインの遵守を最適化し、そうでない場合は効果的に対処するために、臨床医と機能的で尊重し合える関係を築く必要があります。

抗菌薬使用の経時的な測定とモニタリングは、効果的な抗菌薬適正使用支援の基本的要素であり、危機が発生する前に問題に早期対応できる潜在力を与えます。これはできれば微生物学的疫学の地域監視と組み合わせることが理想的です。抗菌薬適正使用支援のこのコンポーネントについては、第3週でより深く考察します。

感染予防・管理 (IP＆C) チームにより関連のあるその他の問題にも気付いたかもしれません:

• 手洗い (患者の妻はこれが最適ではないことに気付いた)
• スタッフが患者同士の接触を奨励した
• カテーテル挿入技術

ただし、AMTとICTは、重複するメンバーシップとガバナンスによって緊密に連携する必要があり、そのため、一部の組織ではこれらのチームが統合されていることが重要です。