記事: 理想的な世界

理想的な世界では、ステップ2.10のジョンの処方決定に感染症医が関与すべきだと言えるかもしれません。実際に、最も適切な治療について臨床チームの中に疑念がある場合は、感染症医に緊急に相談しなければなりません。

しかし多くの組織では、リソースが限られているため、これを期待するのは現実的ではありません。ジョンには重篤な感染症の兆候があり (全身性炎症反応のため血圧が低い)、感染症に関する助言を求めることで、抗菌薬治療の最初の処方と投与に遅れが生じると、彼のその後の転帰に影響を及ぼす可能性があることを覚えておくことも重要です。

ここでは、簡単にアクセスできる抗菌薬ガイドライン (病棟のポスターや病院のイントラネット、スマートフォンアプリケーションなど) が重要な役割を担います。疑念がある場合は、初回投与後に感染症の専門知識を求めることができます。

病棟の看護師は、抗菌薬治療の投薬に関して非常に重要な役割があり、抗菌薬適正使用支援において、次のような役割を担える可能性があります:

• 静脈投与から経口投与への切り替えや、治療の中断に関するチームの決定に貢献する
• 抗菌薬治療が適切に(重度の感染症では1時間以内に) 投与されるようにするためには、処方チームと投薬する看護師チームの間のコミュニケーションが不可欠です。

病棟の医師 (または他の抗菌薬処方医) と薬剤師 (可能な場合) の処方における役割はかなり重複しますが、どちらも特別な技能を有しており、最も重要なのは、処方を最適化するために彼らが協力して取り組むことです。

薬剤師‐医師チームの役割には次のようなものがあります:

• 適切な抗菌薬治療の前に、患者を診断し、適切な微生物学的検査を確実に行うようにする
• アレルギーと、腎機能や薬物相互作用などの薬物動態学的/薬力学的要因を考慮した最初の処方決定を下す
• 必要に応じて抗菌薬モニタリングを実施する
• 最適な期間またはレビュー日を決定する
• 処方決定の適切な文書化
• 抗菌薬治療に対する反応をモニタリングし、反応と陽性検査に基づいて継続的な処方決定を行う
• 地域または国のガイドラインの遵守を確立する
• 疫学 (このシナリオにあるような薬剤耐性など) について説明する。

あなたの勤務先の病院または施設には、ジョンの処方決定に役立つ、簡単にアクセスできる抗菌薬ガイドラインがありますか？

ある場合は、ガイドラインが推奨するものは何ですか？あなたはその推奨に従いますか？

ガイドラインやそのような指針が一切ない場合は、このシナリオで何を推奨すべきだと思いますか？その理由は何ですか？

あなたの勤務先で、ガイドラインや指針の遵守をモニタリングする方法を考えてください。