薬剤耐性について説明する

最小発育阻止濃度 (MIC) 値は、特定の細菌の特定の抗生物質に対する感受性を表わします。

増殖を阻害するために必要な抗生物質の濃度が一定レベル、つまりブレイクポイントを超えると、その抗生物質は治療薬として役に立たなくなります。これはブレイクポイントが、患者に安全に投与できる抗生物質の最大用量を意味するからです。

高用量は、たとえそれが実験室の寒天プレートには有効であったとしても、患者に危害を及ぼす恐れがあります。ブレイクポイントは、抗生物質に対して感受性の細菌と耐性の細菌を分ける境界線です。抗生物質ディスクまたはMICの周りの領域のサイズなどの、より精密な測定を行った場合でも、医療微生物学検査室は通常、細菌を抗生物質に対して感受性または耐性のいずれかとして報告します。

多くの互いに無関係な抗生物質クラスに耐性のある細菌を描写するための、一連の用語が開発されました。これらは、多剤耐性 (MDR) から広範囲薬剤耐性 (XDR)、汎薬剤耐性 (PDR) まで、抗生物質クラスの増加に伴って変化します。これらのクラス間の関係が、それぞれの定義とともに下のベン図に示されています。

図は複数のセクションに分かれています。左側のセクションは、多剤耐性ではない細菌を表わしています。これには、2つ以下の抗菌薬カテゴリーの1つまたは複数の薬剤に対して非感受性の分離株が含まれます。図の右側には、多剤耐性菌が表されています。 このセクションには、広範囲薬剤耐性クラスを表わす円があり、その円の右側に、汎薬剤耐性の細菌を表わすさらに小さな円が埋め込まれています。

図の出典: Magiorakosらによる記事「Multidrug-resistant, extensively drug-resistant and pan drug-resistant bacteria: an international expert proposal for interim standard definitions for acquired resistance」この記事は下のリンクからPDFファイルとしてダウンロードできます。