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サブカルチャーとは?

Let's read some academic background about the definition of 'subculture'.
© Keio University

このコースでは「日本のサブカルチャー」について議論しますが、その前にまずは学者による言及を確認して「サブカルチャー」の概要について見てみましょう。

サブカルチャーの定義

サブカルチャーは、『オックスフォード英語大辞典(OED)』では「an identifiable subgroup within a society or group of people, especially one characterized by beliefs or interests at variance with those of the larger group(人のつくる社会または集団内に特定可能な副集団であって、とくにより大きな集団とは異なる信念や関心によって特徴づけられるもの)」と定義され、英語の文献では1914年が初出となっています。本来は、「サブカルチャー」は、特定の集団とその文化を指す言葉だったのです。例えば、OEDには次のような「サブカルチャー」の用例が収録されています。

「ヒップホップとあだ名されるこのサブカルチャーは、(略)とくに男性間の地位と競争に関わるものだ(Time、21頁、1972年5月号)」
テリー・イーグルトンが『The Idea of Culture(文化とは何か)』(1)で論じているように、「culture(文化)」という概念は、全員にとって普遍的で超越的な価値を持つ大文字の「Culture」とは相反する側面を持っています(イーグルトン、40頁)。サブカルチャーとは、イーグルトンの議論に従うなら、「a culture(ある文化)」であり、真正や権威にではなく、「アイデンティティと団結(45頁)」に私たちを導くものなのです。
 1947年、ミルトン・M・ゴードンは自身の有名な論文『The Concept of Sub-Culture and Its Application(サブカルチャーの概念とその適用)』(2)において、サブカルチャーを次のように定義しています。
一国の文化の一領域を参照するために本論で使用される概念であって、階級、エスニック・バックグラウンド、地域的な田舎または都会での居住、そして宗教的所属といった因数分解可能な社会状況の組み合わせによって構成されるが、構成員に重大な影響を与える機能的統合をこれらの組み合わせによって形成するもの。

ゴードンは後に、各サブカルチャーグループは、エスニック、階級、そして地域的差異を内包しているが、各グループはそれぞれの「世界の中の世界」を形成していると説明しています。この意味においてサブカルチャーは、「(大文字の)Culture」の中の「(小文字の)culture」と定義することができ、カウンターカルチャーとも関連してきます。

日本のサブカルチャー

それでは、この理論は、第二次世界大戦後の日本におけるサブカルチャーにどのように当てはまるでしょう? 宮沢章夫は、『ニッポン戦後サブカルチャー史』(2014)(4)[fig.1]において、1960~1990年代の自身の個人的記憶を紐解き、日本のサブカルチャーはその初期に、西海岸発祥のアメリカン・カウンターカルチャーに大きな影響を受けたと指摘しています(第1章)。宮沢によれば、「サブカルチャー」という語を初めて使用した日本語文献は、『美術手帖』1968年2月号 [fig.2]に掲載された、芸術家で批評家の金坂健二による記事でした。

2 book covers (Right) Fig.1 『ニッポン戦後サブカルチャー史』宮沢章夫、NHK出版、2014年 (Left) Fig 2 『美術手帖』 美術出版社、1968年2月号

『惑溺へのいざない――キャンプとヒッピー・カルチュア』(3)で金坂は、直線から曲がりくねった曲線へと変化する産業美術の劇的な変化を人々は目の当たりにしており、この変化は、世紀の変わり目のアール・ヌーヴォーにも匹敵すると述べています。いわゆるヒッピー文化において、伝統的な意味での芸術の規則が自由化され、奔放な色彩の組み合わせが蔓延するのを見て、金坂はこの文化現象は「悪趣味」であり、「未だ文化に到達しない、サブカルチュアとでもいうべきものである」と述べています((3),p.87)。ここで興味深いのは、金坂がサブカルチャーは未だ文化に到達していないと述べていることです。まるで、言い換えれば、サブカルチャーは一人前の文化へと成長を遂げる前の未熟な状態であると言っているかのようですが、そのサブカルチャーには、伝統的価値観を打ち破る力があるのです。

「サブカル」とサブカルチャー

およそ1990年代ごろから、「サブカルチャー」は、日本のサブカルチャーについて述べるとき、「サブカル」と省略されるようになりました。調査した限りでは、「サブカル」を含む最初の文献のひとつは、大塚英志の『戦後民主主義のリハビリテーション』(2001)(5)です。大塚の文脈では、サブカルは、ある種のジャンクさと儚さを意味しています。日本の文脈におけるサブカルチャーは、ゴードンが指摘するようなエスニック的または地域的サブグループの文化を指すものではないのかもしれません。むしろ、日本のサブカルチャーは、周辺性、未熟性、一時性、または脆弱性を指すものです。現代の感覚では、サブカルチャーは一般に、アニメやマンガ、ビデオゲームやポピュラー音楽を含む大衆文化を意味します。それでもなお、「サブカルチャー」には多重的な意味があることを認識する必要があります。

(英語版にない原稿)このコースでは、アニメやマンガといった視覚文化が輸出され始めた、1970年代頃以降の文化現象に着目します。日本のサブカルチャーを、1970年代から現代までの、日本の歴史的・社会的文脈の中でとらえ直したいと思います。ただし、日本のサブカルチャーについてのありきたりな歴史的研究には立ちいりません。その代わりに、現代日本の若者文化の根底にある4つのトピックを取りあげます。恋愛、バトル、テクノロジー、そしてファンカルチャーです。

では、皆さんは今、「サブカルチャー」についてどのように定義していますか?

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日本のサブカルチャー入門

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