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Measurement/測定

Measurement/測定
これまでに、重ね合わせ状態や位相といった量子ビットの特性について学びました。 また、それらの量子ビットの情報はそのままダイレクトに見えるものではない、ということも重要な点の1つです。 量子ビットの状態を知るには、その量子ビットを「測定」する必要があります。

前述の通り、量子力学では波を確率振幅と呼びます。量子ビットを測定したときに、ある状態が出力として観測される確率は、この波の振幅によって決まります。

量子ビットの測定

量子ビットの測定では、2つの状態のうちいずれか1つの状態だけを観測します(今は0か1のどちらかを観測するという認識で構いませんが、実際は少し違うため、詳細は改めて説明します)。 「ケットプラス」のような50/50の状態は

[sqrt{1/2}|0rangle + sqrt{1/2}|1rangle]

our "plus" state

で、50%の確率で0を観測し、50%の確率で1を観測します。振幅の絶対値の自乗で確率を求めることができるため、この場合、(vert0rangle)や (vert1rangle)が観測される確率は両方 (vertsqrt{1/2}vert^2 = 1/2 =50%)で計算することができます。

また、

[1/2|0rangle + sqrt{3/4}|1rangle]

このような状態の場合、

a non-50/50 state

0を観測する確率は(vert1/2vert^2 = 1/4 = 25%)であり、同様の計算手法で1を観測する確率が75%であることが分かります。 あくまで、量子確率振幅は、それぞれの状態が観測される確率を決定するだけであり、測定を行うことで0.75という値が直接得られるわけではありません。

波動関数の収束

量子ビットを測定するということは、確率振幅に基づいたある値を得る行為であると同時に、その量子ビットの波動関数の収束も意味します。さて、どういうことなのでしょう?

波動関数の収束とは、仮にある量子ビットの測定結果が0だった場合、1の持っていた確率振幅は消失してしまい、0の確率振幅が100%に変化することを意味します。

測定によって得られる情報は、観測で得られた状態(0または1)の確率振幅が0%ではなかったことを除いて、基本的には何もありません。

ある量子ビットの状態を詳細に知りたい場合、その量子ビットを準備して、それを測定する実験を複数回行う必要があります。例えば、もし100回の実験を行い、49回0を観測し、51回1を観測した場合、その量子ビットは50%で1、50%で0の重ね合わせ状態にあったと推測できます。

1つの量子ビットを測定する3つの方法

the Bloch sphere

こういった単一量子ビットの測定について考える時、ブロッホ球は便利な表記法です。 量子ビットのベクトルは球面上の任意の点を指すことができます。 ベクトルが北半球にある場合、測定で(vert0rangle)を観測する確率が高くなります( (vert0rangle)が北極にあることを思い出してください)。 同様に、ベクトルが南半球にある場合は(vert1rangle)を観測する確率が高くなります。((vert1rangle)が南極にあることを思い出してください)。

量子ビットの状態は、測定結果の状態に射影されるので、測定後の量子ビットの状態は(vert0rangle)もしくは(vert1rangle)になります。 (この場合の射影とは任意のベクトルから(vert0rangle)もしくは(vert1rangle)の状態に移動することを意味します。)

ブロッホ球上での(vert0rangle)と(vert1rangle)を結ぶ軸は(Z)軸と呼ばれ、量子ビットを測定することは(Z)軸の両端の状態のうち、どちらか1つの状態へと射影することを仮定してきました。 実際は量子ビットの測定は常に(Z)軸を基底とする必要性はなく、ブロッホ球の原点を通る任意の軸にそって射影を行うことができます。

簡略化のため、測定基底はブロッホ球の(X),(Y), または(Z)軸に沿うものと仮定します。(X)軸で測定した場合、量子ビットは(X)軸の一方の端(vert+rangle)か(vert-rangle))に状態を投影します。

(Y)軸に沿って測定することはあまり一般的ではないため、 (Z)や(X) 軸のように両端に名前はありません。 両端の状態はそれぞれ(sqrt{1/2}vert0rangle + (pi/2)sqrt{1/2}vert1rangle)と (sqrt{1/2}vert0rangle + (3pi/2)sqrt{1/2}vert1rangle)です。

アルゴリズムとの関係

波動関数の崩壊は測定を施した特定の量子ビットだけではなく、状況によっては私達のシステム内にある全ての量子ビットの状態にも影響を与えることがあります。詳細については、今後、量子もつれについて学ぶ時に改めて説明を行います。また、アルゴリズムについて学ぶ時は、特定の量子ビットの波動関数の崩壊がどのようにして全体に影響してくるかを更に詳しくお話します。 また、干渉を用いることによって。量子ビットを測定した時に得られる結果が高い確率で解きたい問題の答えになるように振幅を操作していくことが、量子アルゴリズムの仕組みであることを見ていきます。

© Keio University
This article is from the free online

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