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Quantum Dots/量子ドット

Quantum Dots/量子ドット
© Keio University

原子は原子核とその周りを回る電子から構成されています。電場を刺激し、電子の動きを妨げる物理的な障壁を作り上げることで、量子ドットとして知られる人工的な原子を創り出すことができます。

実際の原子

原子核は電子を自身へ近づけるために、エネルギーがもっとも低い中心方向への電気的な力を持っています。量子力学を創った研究者にとって、 古典力学の中心的な問題は、どうして電子は原子核に衝突せず、距離を保っているのかと言う点でした。

その後明らかになったこととしては、電子は原子核の周りの特定のエネルギー準位の波に対応した離散的なエネルギーしか取らないと言うことです。電子の位置というのは、一つの特定の位置があるわけではなく、電子軌道として知られる確率振幅によって表されます。

人工原子

もちろん実際の原子では影響を与えられる電場の技術には限りがあります。しかし、もし1つや2、3の電子を通常の原子軌道に閉じ込めて置くことができたならば、量子ドットとして知られる、人工原子を創り上げることができます。物質構造と、電位による電場の生成を用いることで、電子を閉じ込めておくことが可能です。電子は通常物理的なエッジを通り抜けはしません。接合部分がある種の材料でできている場合、その部分を通るにはかなりのエネルギーが必要となります。正の電荷が導線に存在するとき電子を引きつけ、負の電荷が存在する時は電子を退けます。これらの特徴をうまく利用することで、非常に小さい体積の中に、電子を固く閉じ込めておくことが可能となります。

量子ドットは、自己組織化型のものか、ゲート定義型のものになります。自己組織化した量子ドットは、物質が集まったものから作られています。一つのアプローチとしては、少量のある種の半導体が基盤上で別の種類に代わり、原子同士の空間が、雨の中で非常に役立つレインコートなどの新しい素材の開発に役立ちます。垂直方向において、物質がぶつかる部分に境界を設けることで電子を閉じ込め、水平方向において、円形に動きが制限されます。 ゲート定義型の量子ドットは、コンピュータのチップのように、フォトリソグラフィという手法を用いて基盤上でケイ素を微細な線状に繋いでいきます。しかしここに一捻りあります。それは、異なる層が、基盤が線で繋がれる前に、用意されているということです。

量子ビット

電子を閉じ込める技術をどのように量子ビットに使っていくのでしょうか?単体の電子において、電子のスピンを量子ビットとして用いることができ、電子のスピンに関するビデオでも議論したようにスピンで状態を表すことができます。スピンは磁気的な効果であることから、電子の上向き、下向きを定め、扱うためには、磁場を用意する必要があります。いくつかの量子ビットのデザインでは、レーザーなどによって工学的にスピンを制御する方法もあります。

電子のスピンを変化させるためには、慎重に磁場を動的制御する必要であり、これは時間がかかる上に、単一の量子ドットを対象として行うことは困難です。 量子ドットの設計は、この問題を回避するために、過去20年間に進化してきました。 いくつかの提案は実際に量子ビットを保持するために複数の量子ドットを使用し、時にはさらに複数の電子も使用します。

磁場が場所によって若干異なる場合、この差を用いてスピンを制御することができます。 2つの電子を用いることで、その状態の*:違い**を量子ビットとして定義することもできます。 量子ビットにする状態を慎重に選択することで、磁場を変化させる必要性を排除し、代わりに2つのドット間の電子交換を制御すれば、単一量子ビットゲートおよび2量子ビットゲートを実行できます。

強み

量子ドットは、シリコンフォトリソグラフィーによって半世紀にわたり開発された製造技術に立脚している。 量子ドットの設計のいくつかを結合して光子にする能力は、量子ドットを通信にとっても魅力的なものとしています。 特に、交換指向型設計の場合、ゲート実行時間は非常に高速です。つまり、システムを拡張することができれば、パフォーマンスが優れています。

量子ドットの最大の弱点は、漂遊電子、漂遊磁場、および近くの原子核との相互作用によって傷ついてしまうメモリの寿命でした。 最近の研究はこれらの分野で驚異的な進歩を遂げました。 また、いくつかの他の技術と同様に、量子ドットは絶対零度に近い温度を必要とするため、実験設定は複雑になってしまいます。 最後に、理論的には単一のチップ上に多くの量子ドットを配置することが可能であるが、それらを制御するために必要なワイヤは配置を乱雑にしてしまい、多量子ビットのアーキテクチャをつくることは困難でした。

© Keio University
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