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Are Qubits just analog?/量子ビットはアナログか?

Are Qubits just analog?/量子ビットはアナログか?
© Keio University

量子ビットは、重ね合わせや量子もつれ等の特殊な物理現象をつかって情報を保持することができます。 これらの特徴はアナログシステムには無いものです。

従来のアナログデータ

連続値を用いたコンピュータは、一般的にアナログコンピュータと呼ばれます。 前述の通り、1960年代にアナログコンピュータの開発が盛んに行われており、1980年代はカリフォルニア工科大学のCarver Mead氏を始めとした研究者たちが、VLSIをつかったアナログコンピュータの研究に専念していました。 (私(Van Meter)は、当時、カリフォルニア工科大学の学生で、Carver Mead氏のVLSIアナログ・コンピュータに関する講義を受講していました。その講義を通して、技術だけではなく、研究者として生きることがどういうことなのかについて等、非常に多くのことを学びを得ましたが、結果的にはその講義の単位を落としてしまいました!)

アナログコンピュータは、特定の微分方程式の解を求めたり、微分積分や潮位を予測したりする上で非常に効果的でした。 そういった理由から、一部の研究者たちは、デジタル計算の一部をアナログ処理に戻していく必要性が将来出てくるであろうと予測しています。

量子データ

量子ビットには、位相があり、また、1つの量子ビットは、部分的に0状態、部分的に1状態という状態が存在するといった特徴があります。量子コンピュータについて勉強を始めたばかりの方(特にコンピュータについてある程度の知見がある方)が、こういった特徴を知ると、「あれ?量子ビットって、単にアナログなのでは?アナログコンピュータなら、ずいぶん昔から作っているけれど…」という疑問をよく頭に思い浮かべます。

既に量子状態の重ね合わせについては深く学んできました。 一見すると、この重ね合わせこそが量子計算の最も特異な特徴であるよう思えるかもしれません。 しかし、実際はアナログシステムでも異なる周波数をつかった複数の信号を同時に運ぶことができるため、重ね合わせだけではその区別は付きません。

従来のアナログデータと、量子ビットを本当の意味で差別化する要因として、測定によって起こる重ね合わせの崩壊と、量子もつれの2つが主に挙げられます。 量子ビットを測定した時、振幅の絶対値の自乗に基づいた確率で、0か1のどちらかに状態が「収束」することを見てきました。 波動関数の崩壊は直感的にイメージのしづらい現象であり、かつ測定によって部分的な情報だけしか取り出すことができないため、この特性を大きな欠点として捉えてしまうかもしれません。 実際、アナログコンピュータは、適切な測定機器を用いれば、0と1のと位相の両方の情報を直接読み取ることができます。では、アナログコンピュータのほうがより多くの情報を扱っているのでしょうか?

ある意味で、測定による量子ビットの崩壊は、もとの重ね合わせにあった量子状態を部分的に破壊してしまっているとも言えます。 ところが、こういった情報の破壊にメリットが一切ないわけではありません。 量子ビットの崩壊を逆手に取って、必要ない重ね合わせ状態をシステムから取り除いてあげることで、量子アルゴリズムの効率が上がり、結果役に立つことがあります。 この有効性は、特にShorの素因数分解アルゴリズムにおいて明確に確認することができます。

ですが、これはアナログと量子の違いの答えの半分に過ぎません。 従来型のシステムには存在しないもう1つの重要な特徴が、「量子もつれ」で、2つ以上の量子ビットが、ある種の相互関係の状態になるという現象です。 こういった量子もつれや、重ね合わせ状態の崩壊等の特徴が、量子コンピュータと従来のアナログコンピュータとの違いを生んでいます。

次は「量子もつれ」について詳しく見ていきましょう。

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This article is from the free online

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