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古典籍を彩る和紙

古典籍を彩る和紙
© Keio University

第1週では日本の書物に使われている和紙の種類、その製造方法、さらに紙の歴史について学んできましたが、いかがでしたか?

日本の書物は装訂という形態の違いがある上に、使用されている和紙も多種多様です。一見すると、同じ白いシート状の物質で無機質にみえる紙であっても、それぞれの紙には個性がありますし、それは主張をしない個性といえます。原料となる植物、植物特有の繊維形状、繊維を取り出す方法、漉き方、漉く時に用いる分散剤や道具、乾燥法、出来あがった後の各種加工の有無という違いの数に比例して紙の種類は豊富です。

私たちが書物を手にする時、視覚的に文字や画像情報を得るだけではなく、書物の重さやページをめくる手に伝わる触感、紙自体が発する音、時には匂いも無意識のうちに情報として取得しています。

紙は、視覚情報だけではなく、五感を総動員して情報を受け取ることが出来るメディアです。紙を知らない人はいないぐらいに身近な存在でありながら、紙に注目したことがある方は少ないでしょう。

とはいえ、紙は、特に古書に用いられている紙は、私たちが積極的に知りたいと思って観察すれば、実に雄弁にその来歴を語ってくれます。文字や画像だけが表現なのではなく、紙を漉いた人、紙を漉かせた人、紙に加工をした人それぞれの表現を紙は伝えています。

和古書の紙は、その書物がつくられた時代の記録や表現だけではなく、同時代の人々の美意識・自然・技術をも伝えています。

第2週について

第2週では、和本の伝統的な装訂について学び、その作成工程と修復について、実際の作業現場の様子を交えて紹介します。また、紙をよりよく知るために、観察するテクニックを紹介します。きっとこれまで以上に、和紙と古書の魅力を堪能することができると思います。

紙に関する発見を共有しよう!

第1週は楽しく学んでいただけたでしょうか?学ぶ過程で、紙にまつわる興味深いもの(ウェブサイト、画像、アプリ)などを発見した方は、ぜひコメント欄で皆さんと共有してください。また、第1週で学んだことの中で、特に興味のあるトピックが見つかったら、ぜひインターネット検索や、図書館などに足を運び、さらに調査してみてください。きっとさらに面白い発見があると思います。

© Keio University
This article is from the free online

古書から読み解く日本の文化: 和本を彩る和紙の世界

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