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用語集

用語集
このコースで使用されている用語をリストアップし、用語集にまとめました。

すべての新しい用語を覚える必要はありません。この用語集に追加して欲しい単語を見つけたら、コメントに追加してください。

[]内の数字は、単語が登場するStep番号を示します。 (例:[2.3]→第2週のステップ2.3)
このStepでは紙や技法に関する言葉について[Audio]をクリックすることで単語の発音を聞くことができます。


  • 藍(あい、ai):藍色。緑がかった青色。インディゴ。 [Audio], [3.3]
  • 藍(あい、ai plant):染料。タデ科の植物を用いる。様々な染め方があり、古くから利用された。染めを重ねる回数で濃くすることもできる。 [Audio], [3.5]
  • 麻(あさ):植物繊維の一種。 [Audio], [1.9]

  • 浮世絵(うきよえ):日本美術のジャンルのひとつ。17世紀から19世紀にかけて流行した。肉筆画や木版画というかたちで、さまざまな主題を扱った:歌舞伎役者、力士、歴史や民話の一場面、風景、植物や動物、性風俗。 Wikipediaはこちら, [Audio],[1.17],[3.16],[3.20],[3.26]
  • 歌麿(うたまろ):喜多川歌麿。日本の浮世絵師。 [Audio], [3.26]
  • 打ち紙(うちがみ):熟紙の一種。紙全体を木槌などで叩き、書きやすくしたもの。 [Audio], [1.5],[1.7],[1.8],[2.17]
  • 内曇紙(うちぐもりがみ)/雲紙(くもがみ):料紙の一種。漉き上げた白い紙の上に、色染めした紙の繊維を雲のような模様になるように上下の部分に重ねて漉いたもの。水の動きを表現することもある。色は藍と紫の二色が基本となる。現在、重ねる繊維は雁皮を使っているが、過去には楮が使用されていた。 [Audio1], [Audio2], [3.10]
  • 裏打ち(うらうち):書物の修復方法。ページ全体にほぼ同じ大きさの紙を貼り付けて補強する。[2.10]
  • 雲母(うんも):ケイ酸塩鉱物。ほぼ完全な基底へき開(特定方向へ割れやすい性質)を有する。 [1.5] [3.15],[3.16],[3.17],[3.18]

  • 瑩紙(えいし):熟紙の一種。文字を書く部分を硬いものでこすり、書きやすくしたもの。 [Audio], [1.5],[1.7]
  • 越前奉書(えちぜんほうしょ):現在の福井県で生産された、楮を主原料とした紙。 [Audio], [1.8]

  • 黄檗(おうばく/きはだ):染料。みかん科の落葉高木の樹皮を用いる。 写経 の料紙に多用された。苦みがあり防虫効果があるとされる。 [Audio1], [Audio2], [3.3],[3.5]
  • 御蔵紙(おくらがみ):各藩の蔵に納められた紙。 [Audio], [1.16]
  • 折本(おりほん):横に長くつなぎ合わせた紙を一定間隔で折り畳んで作った蛇腹状の本。巻子装が閲覧・検索に不便であることから生まれた。 [Audio],[2.1],[2.2],[2.3],[3.22]

  • 柿渋(かきしぶ):染料。熟す前の渋柿の実を絞った汁を発酵させた液体。赤みのある茶色で塗り重ねれば濃くできる。防虫効果もあるとされ、たっぷり塗れば防水効果もある。 [Audio], [3.3],[3.6],[3.7]
  • 重ね継ぎ(かさねつぎ):複数の紙をつなぎ合わせて書物を装飾する技法のひとつ。色の異なる3枚以上の紙を同じ形に破って、少しづつずらして貼り重ねる高度なもの。 [Audio], [3.13]
  • 上方(かみがた):京都や大阪を中心とする地域。この名称は、特に浮世絵や歌舞伎などの江戸時代の都市文化の要素を議論するとき、および江戸/東京地域の都市文化と比較するときに使用される。 [3.20]
  • 紙の博物館(かみのはくぶつかん):東京都北区王子にある、紙の歴史・文化・産業を紹介する博物館。 [1.14],[1.16],[1.17],[1.18]
  • 紙屋院(かみやいん):紙の製造、製紙技術の改良、製紙原料となる新しい植物原料の採用、造紙手養成のための指導を行う機関。[1.16][2.1],[2.2]
  • 空押し(からおし):模様を彫った版木の上に紙を置き、圧力を掛けることによって、版木の凸凹を写しとる技法。 [Audio], [3.20]
  • 唐紙(からかみ):中国から輸入された紙の総称だが、具引された紙に、雲母引で用いたような膠に混ぜた雲母を絵の具にして、木版で模様を刷ったものに限定して用いられるようになった。 [Audio],[1.17],[3.17],[3.18],[3.19],[3.20]
  • 漢詩(かんし):中国語の伝統的な詩。日本では、平安時代初期から非常に高い地位を有し、近現代までその影響は続いた。 [Audio], [3.22]
  • 巻子装(かんすそう):紙を糊で貼り継ぎ、先端に表紙を末端に軸を付けて、軸から巻き取って保存する装訂法。[2.1],[2.2],[2.3],[2.4],[2.7]
  • 雁皮(がんぴ):ジンチョウゲ科の低木。斐紙の原料。 [Audio], [1.1],[1.6],[1.7],[1.11],[2.15],[2.17],[2.18]
  • 雁皮紙(がんぴし):雁皮を原料とした紙。 [Audio], [1.6]

  • 生紙(きがみ)/生漉き紙(きすきがみ):填料を用いていない紙。 [Audio1], [Audio2], [1.5]
  • 経師(きょうじ):奈良時代、経文を書いた巻物、経巻(きょうかん)の書写する仕事をしていた人。平安時代以後、時代の変化とともに仕事の範囲が広がり、経巻の書写に加え、経巻の表具、書画の幅、屏風、襖などの表具までを手掛けるようになる。[2.1],[2.7]
  • 撓紙法(ぎょうしほう):紙の漉き方の一種。水中の簀の中に紙料液(植物をすり潰して繊維化した液体)を適量入れて分散させ、簀を持ち上げ水を濾す。[Audio], [1.10]
  • 雲母(きら):雲母(うんも)を粉状にしたもの。 [Audio], [3.16]
  • 雲母摺(きらずり):浮世絵の版画技法のひとつ。雲母散しの、雲母の量が多いものを雲母摺と呼ぶ。膠を塗った紙の上に雲母の粉を一面に振りかけることで、紙が輝く。 [Audio], [3.16]
  • 雲母散し(きらちらし)/雲母砂子散し(きらすなごちらし):浮世絵の版画技法のひとつ。膠を塗った紙の上に雲母の粉を振りかけることで、紙が輝く。 [Audio1], [Audio2], [3.16]
  • 雲母引き(きらびき):浮世絵の版画技法のひとつ。膠に雲母をたっぷり混ぜて紙に塗ることで、紙が輝く。 [Audio], [3.16],[3.18]
  • 切り継ぎ(きりつぎ):複数の紙をつなぎ合わせて書物を装飾する技法のひとつ。色や模様等が異なる紙を直線的に切って台紙に貼り合わせる。 [Audio], [3.13]
  • 裂(きれ)/裂地(きれじ):布の端切れ。 [Audio1], [Audio2], [3.23]
  • 金泥(きんでい):金の絵の具。金の粉末を膠が入った水で溶かした絵の具。 [3.22]
  • 銀泥(ぎんでい):銀の絵の具。銀の粉末を膠が入った水で溶かした絵の具。 [Audio], [3.22]
  • 金襴(きんらん)/金襴錦(きんらんにしき):金の糸を加えて模様を織り込んだ絹織物。中国製のものが鎌倉時代頃から輸入されるようになり、室町末ころから日本でも製作されるようになった。 [Audio1], [Audio2], [3.23]

  • 具引き(ぐびき):胡粉を膠に混ぜて作った白い絵の具のようなものを刷毛で紙に塗りつけたもの。 [Audio], [3.16],[3.17],[3.18],[3.19]
  • 雲紙(くもがみ):料紙の一種。打曇(うちぐもり)、内曇紙(うちぐもりがみ)とも言う。漉き上げた白い紙の上に、色染めした紙の繊維を雲のような模様になるように上下の部分に重ねて漉いたもの。水の動きを表現することもある。色は藍と紫の二色が基本となる。現在、重ねる繊維は雁皮を使っているが、過去には楮が使用されていた。 [Audio], [3.10],[3.11],[3.14],[3.15]

  • 合巻(ごうかん):江戸時代後期の、絵入りの庶民的な娯楽読み物。歌舞伎・浄瑠璃の粗筋や、歴史・実録などを題材とした。 [Audio], [3.20]
  • 楮(こうぞ):クワ科の低木。主だった和紙は楮の樹皮を原料としている。[Audio], [1.7],[1.8],[1.11],[2.8],[2.11],[2.15],[2.17],[2.18]
  • 楮紙(こうぞがみ/ちょし):楮を原料とした紙。 Wikipediaはこちら, [Audio1], [Audio2], [1.3],[1.6],[2.15],[2.18]
  • 後漢書(ごかんじょ):中国後漢朝について書かれた歴史書。[Audio], [1.9]
  • 古筆(こひつ):主に平安時代から鎌倉時代に書かれた名筆。 [Audio], [3.1]
  • 胡粉(ごふん):蛤など貝殻を焼いてから砕いて粉状にしたもの。 [Audio], [3.15],[3.16],[3.17]
  • 御用紙(ごようがみ):幕府に直接納められる紙。特定の家が代々命じられて献納した。 [Audio], [1.16]
  • 紙縒り(こより):紙を細く切った(裂いた)ものを縒って紐状にしたもの。 [Audio], [1.9],[1.17],[2.5],[2.6]

  • 蔡倫(さいりん、50-121 C.E.):後漢の宦官。製紙法を改良した。 [Audio], [1.9],[1.14],[1.16]

  • 色紙(しきし):色のついた料紙。 [Audio], [3.22]
  • 下絵(したえ):文字の下にある絵。金泥・銀泥を用いて、あらかじめ花鳥や山水など様々な絵や模様などが描かれている。[Audio], [3.22]
  • 紗(しゃ):薄く透きとおる絹織物。これを簀の上に置くことで、上質な薄い紙を作る。 [Audio], [2.15]
  • 十二単(じゅうにひとえ):平安時代に成立したとされる貴族の女性の装束。 [Audio], [3.13]
  • 宿紙(しゅくし):平安時代から用いられているリサイクルペーパー。一度書写に用いられた紙を材料として再利用しているため、元の墨が灰色に残っているのが特徴。 [Audio], [1.7],[1.12]
  • 熟紙(じゅくし):生紙に加工を施して、書写適性を向上させた紙。 [Audio], [1.5]
  • 抄紙法(しょうしほう):紙の漉き方の一種。水を溜めてある漉き舟に植物繊維を分散させてから、それを簀で汲み上げる。 [Audio], [1.10]
  • 靱皮繊維(じんぴせんい):植物の篩部(「内側の樹皮」、「皮膚」と呼ばれることもある)または特定の双子葉植物の茎を囲む靭皮から収集された植物繊維。 Wikipediaはこちら [2.18]

  • 簀(す):竹や葦などの植物を編んだもの。紙漉きに使用される。 [Audio], [1.10],[2.15]
  • 水素結合(すいそけつごう):Wikipediaはこちら,[1.4],[1.9],[1.14],[1.16]
  • 杉原紙(すいばらがみ/すぎはらがみ):楮を主原料とする紙。表面を滑らかにするために米粉を添加している。中世から使用され始め、武人が好んで使用した。 [Audio], [1.7]
  • 透かし(すかし):ウォーターマーク。紙に光を当てると浮かび上がる画像や模様。 Wikipediaはこちら ,[2.15],[2.16],[2.20]
  • 簀桁(すげた):紙漉き道具の簀と桁を合わせて簀桁と呼ぶ。 [Audio], [1.10]
  • 漉き返し(すきかえし):和紙。宿紙同様、リサイクルペーパーではあるが、植物繊維以外の物質が入っているのが特徴で、江戸時代の草双紙などの娯楽本や、表紙を厚くするための補助材料として用いられた。 [Audio], [1.7]
  • 漉き染め(すきぞめ):紙の染色方法のひとつ。漉桶の中に紙料と染料を入れて漉くことで、最初から色の付いた紙になる。[Audio], [3.4],[3.5],[3.9]
  • 漉き舟(すきぶね):紙を漉くための浴槽。 [Audio], [1.10],[1.12],[1.16]
  • 漉く(すく):紙をつくること。溶かした原料を簀 の上に薄くのばし敷いて紙をつくること。 [Audio], [1.10]
  • 砂子紙(すなごがみ):粉状の鉱物を用いた装飾紙。糊を塗った紙の表面に金銀の箔や雲母などの砂状の粉を撒いたもので、密度を調節したり、型紙を用いることによって模様を描くこともあった。 [Audio], [3.15],[3.18]
  • 簀の目(すのめ):紙を漉く際に簀を用いることで紙に入る横線。 [Audio], [1.10],[2.15],[2.20]
  • 墨流し(すみながし):水面に垂らして攪拌した墨を紙に写し取って模様を付ける技法。 [Audio], [3.8],[3.9]

  • 宋(そう、960-1279):中国の王朝。 Wikipediaはこちら [3.17]
  • 双子葉植物(そうしようしょくぶつ):2枚の子葉をもつ植物。 [2.17]

  • 題簽(だいせん):書名を書いて表紙に貼る紙。 [3.10]
  • 竹簀(たけす):竹で作った簀。 [Audio], [2.15]
  • 溜め漉き(ためずき):紙の漉き方。抄紙法に分類される。水を溜めてある漉き舟に植物繊維を分散させてから、それを簀で一度だけ汲み上げ、水を切る。溜め漉きは水を切る時間がかかり、できあがった紙は、厚さがあり、透過性が低く、硬い。 [1.6],[1.10]
  • 断簡(だんかん):書物の切れ端。 [Audio], [3.1], [3.10], [3.13], [3.15], [3.19], [3.22]
  • 短冊(たんざく):短歌・俳句を詠む際に使われる紙。分厚く、装飾が施されている。 [Audio], [3.10],[3.12],[3.22]
  • 檀紙(だんし):表面に皺があることが特徴の紙。檀紙の皺は製造後の加工ではなく、乾燥過程で紐に吊るすために生じる。奈良時代から作られており、現在では高級紙や儀式用としても使用される。平安時代以降は楮を主原料としている。 [Audio], [1.7],[2.15] [3.20]

  • 竹紙(ちくし):竹で作られた紙。中国の出版物では最も利用された。 [Audio], [1.3],[2.17]
  • 虫損なおし(ちゅうそんなおし):虫に食われた穴の部分を補填する修復方法。[2.8],[2.10]
  • 丁子(ちょうじ):染料。フトモモ科の植物チョウジノキの花の蕾を乾燥させたのが香辛料クローブで、その煮汁は染料としても使用された。 [Audio], [3.3], [3.7]
  • 丁子吹(ちょうじぶき):吹染で、丁子を用いたもの。 [3.7]
  • 朝鮮本(ちょうせんぼん):朝鮮王朝で刊行された書物。 [Audio], [3.10],[3.20]
  • 楮紙(ちょし/こうぞがみ):楮を原料とする紙。平安時代には「穀紙」と呼ばれていた。 [Audio1], [Audio2], [1.3],[1.6],[1.7],[1.9],[2.17],[2.15]
  • 苧麻(ちょま):カラムシと呼ばれるイラクサ科の多年草。また、その繊維。非常に長い繊維なので、紙の原料として用いる場合はほぼ切断される。他の繊維と比較して幅が広く、リボン状。苧麻から作られた紙の白色度は高いが、表面が粗い。 [1.11],[2.17],[2.18]
  • 縮緬(ちりめん):本来凹凸のある絹織物のことで、絹織物の布地と同じ触り心地を紙で再現したもの。印刷後の楮紙に皺加工を施して作られる。 [Audio], [1.7]

  • 継紙(つぎがみ):装飾紙のひとつ。色や品質の異なる2枚以上の紙をつなぎ合わせて1枚にし、奥行きを生むといったさまざまな装飾効果を生み出す。 c.f. Japanese Architecture and Art Net Users System [Audio], [1.5]
  • 漬け染め(つけぞめ)/浸し染め(ひたしぞめ):紙の染色方法のひとつ。漉いた紙を染料の溶液に浸して染める。溶液の濃度を高くしたり、染めては乾かすことを繰り返して、より色濃く染めることもできる。 [Audio1], [Audio2], [3.4],[3.5],[3.9]

  • 粘葉装(でっちょうそう):紙を縦に二つ折りしたものを重ねて揃え、重なる紙の折り目近くを糊で貼り合わせ表紙を付した装訂法。[2.1],[2.3]
  • 綴葉装(てつようそう):「折(おり、5枚前後の紙を重ね縦に二つ折したもの)」を必要なだけ重ねて、折り目に明けた穴に糸を通して綴じ合わせ、表紙を付けた装訂法。[2.1],[2.3]
  • 典具帖紙(てんぐじょうし):良質の水と楮を原料に独自技術で作られる、極限の薄さと粘り強さを兼ね備えた和紙。[2.1],[2.8],[2.18]

  • 礬水(どうさ):膠を加熱して溶かした膠水に明礬(ミョウバン)を加えた溶液。 [Audio], [1.7]
  • 礬水紙(どうさがみ):礬水を塗った紙。「礬水引き」とも言う。墨や彩色具のにじみを抑え、発色を向上させる。 [Audio], [1.7]
  • 鄧綏(とうすい、AD 81–121):中国後漢の和帝の皇后。蔡倫の製紙技術確立と紙の普及に尽力した。 [1.14],[1.16]
  • 東方見聞録(とうほうけんぶんろく):マルコ・ポーロのアジア旅行記。 Wikipediaはこちら [3.15]
  • 飛雲紙(とびくもがみ):漉き上げた紙の上に、藍と紫に色染めした紙料を重ねて、飛雲の如く点々を散らしたもの。 [Audio], [3.11],[3.14]
  • 豊臣秀吉(とよとみひでよし、1537-1598):戦国武将、大名、関白、太閤。 [3.20]
  • トロロアオイ:植物。その根を水に浸して抽出した粘液は、粘剤(ネリ)として紙作りに利用される。 [Audio], [1.9],[1.10],[1.11]
  • 緞子(どんす):縦横で異なる色の糸を用いて模様を織り込んだ絹織物。金襴と同様に中国から輸入され、室町末ころから国産されるようになっている。 [Audio], [3.23]
  • 曇徴(どんちょう):高句麗から渡来した僧。 [1.14],[1.16]

  • 流し漉き(ながしずき):紙の漉き方。抄紙法に分類される。水を溜めてある漉き舟に植物繊維を分散させてから、それを簀で何度も汲み上げて厚さを整える。ネリ(粘剤)を用いることで、水中で繊維が拡散し平滑な面を作る。漉く時間が短いため、溜め漉きと比較すると多くの枚数を漉くことができる。できあがった紙は、薄くて透過性が高く、柔らかい。 [Audio], [1.6],[1.10],[1.11]

  • 膠(にかわ):動物の骨や皮から抽出した成分から作られる接着剤。 c.f. Japanese Architecture and Art Net Users System [Audio], [3.15],[3.16],[3.17]
  • 錦(にしき):様々な色糸を用いて模様を織り込んだ絹織物の総称。5世紀には日本に伝わっており、奈良時代には国産が行われていた。 [Audio], [3.23]
  • 西の内紙(にしのうちがみ):現在の茨城県で生産された、楮が主原料の厚手の紙。現在も少量ながら生産されており、強靭性を活かして工芸用、記録用、傘紙用など多方面で使われている。紙縒りにも使われる。 [Audio], [1.8],[1.9]

  • ネリ/粘剤(ねんざい):和紙作りで使用される粘液。水中で繊維を拡散させる作用があり、平滑な紙の表面を作成することができる。 [1.6],[1.10],[1.11]

  • 糊空木(のりうつぎ):ネリ(粘剤)の原料となる植物。その粘剤は、トロロアオイと比較すると分散力は劣るが、温度変化に左右されないため一年中使用できる。 [Audio], [1.11]

  • 箔置き紙(はくおきがみ):金銀の箔を様々な形に加工して、糊を塗った紙に貼りつけたもの。 [Audio], [3.15],[3.18]
  • 刷毛染め(はけぞめ):紙の染色方法のひとつ。刷毛で色を付ける。 [Audio], [3.6],[3.9]
  • 刷毛引き(はけびき):刷毛染の、刷毛の筋が残るように色をつけたもの。 [Audio], [3.6]
  • パピルス:古くから筆記媒体として使われた厚紙に似た素材。カヤツリグサ科の植物から作られる。 Wikipediaはこちら [1.4]
  • 潘吉星(はんきっせい):中国の自然科学者。著作に『中国造紙技術史稿』がある。 [1.4]
  • 半紙(はんし):和紙の規格のひとつ。杉原紙の半分の寸法の紙。江戸時代、半紙の大きさが書物の標準の大きさとなった。 [Audio], [1.8], [2.15]

  • 袋綴(ふくろとじ):紙を縦に山折りして重ね、折り目の反対側で紙縒(こより)などを用いて仮綴じし、表紙を付けて糸で綴じる装訂法。[2.1],[2.3],[2.5],[2.6],[2.13],[2.16]
  • 吹染(ふきぞめ):紙の染色方法のひとつ。霧吹きなどで、細かい液体の粒を紙に吹き掛けて染める技法。吹き掛け方で濃淡を付けたり、色を付ける紙の上に型紙を置いておいて、様々な模様を浮かび上がらせたりできる。 [Audio], [3.7],[3.9]
  • 襖紙(ふすまがみ):襖に用いられる厚い紙。間似合紙のこと。[Audio], [1.17]

  • 紅花(べにばな):キク科の植物で、染料に使用される。口紅の材料ともなる。先端の花だけを摘んで利用するので「末摘花(すえつむはな)」の異名がある。 [Audio], [3.3]

  • 北斎(ほくさい):葛飾北斎。日本の浮世絵師。 [3.27]
  • 細川紙(ほそかわし):現在の和歌山県に位置する、紀州・高野町細川村で生産された紙。江戸時代に細川村から現在の埼玉県秩父市へ伝えられた。強靭かつ見た目が美しく、2014年に「和紙:日本の手漉和紙技術」としてユネスコの無形文化遺産に登録された。 [Audio], [1.8],[1.9],[1.10]

  • 麻紙(まし):麻類を原料とした紙。日本では主として苧麻(ちょま)が用いられる。 [Audio], [1.6],[2.18]
  • 間似合紙(まにあいがみ/まにあいし):雁皮に土などの鉱物を添加した紙。強度があるため、襖や屏風などの調度品に用いられる。書物では奈良絵本に使用されている。 [Audio], [1.7],[1.17]
  • マルコ・ポーロ:イタリアのヴェネツィア生まれの商人。旅行記『東方見聞録』を口述した。 Wikipediaはこちら [3.15]

  • 水玉紙(みずたまがみ):漉き上げた紙の上に、藍か紫に色染めした紙料を薄く全体に重ね漉きして、それが乾く前に上から水滴を垂らして、その衝撃により水玉模様を加えたもの。表紙や色紙・短冊に多い。 c.f. Japanese Architecture and Art Net Users System [Audio], [3.12],[3.14]
  • 三椏(みつまた):ジンチョウゲ科の植物。紙の原料となる。[Audio], [1.6],[1.8],[1.9],[1.11]
  • 三椏紙(みつまたがみ):三椏(みつまた)を原料とした紙。表面が滑らかではりがある。墨などがにじみにくい。 c.f. Japanese Architecture and Art Net Users System [Audio], [1.6],[2.6],[2.17],[2.18]
  • 美濃紙(みのがみ):美濃地方(現在の岐阜県)で生産された、楮を主原料とした紙。702年から生産されている記録が残っている。2014年に「和紙:日本の手漉和紙技術」としてユネスコの無形文化遺産に登録された。 c.f. Japanese Architecture and Art Net Users System [Audio], [1.8]

  • 紫草(むらさき):ムラサキ科の多年草。根の汁は染料として用いられる。 [Audio], [3.3]

  • 焼き絵(やきえ):紙に模様をつける技法。模様の形に鋳造した金属を熱し、紙に押し当てて焦がす。 [Audio], [3.19]
  • 破り継ぎ(やぶりつぎ):複数の紙をつなぎ合わせて書物を装飾する技法のひとつ。繋ぎ合わせる部分が、あたかも紙を破ったかのようにぎざぎざになっている。 [Audio], [3.13]

  • 羅(ら/うすぎぬ):薄い絹織物 。 [Audio], [3.23]
  • 羅紋紙(らもんし):装飾紙のひとつ。漉き上げた紙の上に、藍か紫に色染めした紙料を羅(うすぎぬ)の布目状に薄く重ね漉いたもの。[Audio], [3.11]

  • 李氏朝鮮(りしちょうせん、1392-1910):1392年から1897年(大韓帝国として1910年まで存続)にかけて朝鮮半島に存在した国家。 [3.20]

  • レッチング:靭皮繊維を発酵させることで繊維を分離させるプロセス。 Wikipediaはこちら,[1.15]

  • 蝋箋(ろうせん):紙に模様をつける技法。模様を彫った版木に具引紙を載せ、丸い牙などで何度も擦って、摩擦によって模様を刷り出す。擦られた部分が蝋を塗ったかのように艶がでる。 [Audio], [3.19]

© Keio University
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