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写本の形について

写本の形について

平安時代後期から室町時代にかけては、文学作品は綴葉装(てっちょうそう)に保存されることが多かったのですが、その中でも様々なサイズや形がありました。綴葉装の写本にもおおよその規格がありました。何種類ぐらいあったのでしょうか?どのような理由で形やサイズを決めたのでしょうか?

まず、テキストで以下6つの標準的なサイズについて学んだ後、佐々木教授が例を示して説明するビデオをご覧ください。

  1. 四半本
  2. 六半本
  3. 横長本
  4. 八半本
  5. 桝形本
  6. 特大サイズ

四半本

書物の大きさは基本的に使用する紙の大きさによって決まります。綴葉装に使用される斐紙(ひし)は、時代や産地によって違いがあるものと思われますが、16世紀のある例だとおおよそ37×54cm程度の大きさで漉(す)かれています。通常はこれを縦にして、高さの半分で切断したものを重ね、それを半分に折って糸で綴じるので、本の大きさは27×18.5cmほどとなります。但し折目以外の三方は余白部分を化粧裁ちしますので、実際の大きさはそれより一回り小振りになります。これはやや大きな紙の例であり、江戸時代になると紙の規格も小さくなったようなので、もう少し小さめの24×17cm程度のものが多いようです。また鎌倉時代の綴葉装写本には小振りで、横幅がやや狭いものが目立ちます。

Goshūiwakashō 図1. 後拾遺和歌抄 一帖(四半本の例16.1 x 23.2cm)
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この綴葉装の縦型は、もとの紙の4分の1の大きさということで、「四半本(よつはんぼん)」と呼ばれています。この四半本の例(図1)は鎌倉時代の写本で、やや小振りの16.1×23.2cmという大きさです。

六半本

四半本が綴葉装の最も基本的な大きさと形であると言えますが、次によく用いられたのが「六半本(むつはんぼん)」です。これは四半本に用いるのと同じ紙をやはり縦にして、高さを三等分にして切断した紙を重ねて綴葉装に仕立てたものです。これで18.5×18cm程度となり、これを化粧裁ちして一回り小さいもので完成となります。江戸時代のものや、鎌倉時代のものは15cm四方くらいのものが多いようです。ほぼ正方形なので、六半本は「桝形本(ますがたぼん)」と呼ばれることもあります。

この六半本(源氏物語 若菜上)は化粧裁ちされないままに伝わったものなので、若干大きめで、17.8×17.5cmもあります。

Genji monogatari wakananoue 図2. 源氏物語 若菜の上
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横長本

四半本と六半本が綴葉装の基本的な規格ですが、例外的な形のものも存在しています。横長の四半本は、料紙を横長にして高さの半分で切断して作ればよいだけですが、かなり珍しい存在です。

八半本

これよりも見かけることが多いのは、「八半本(やつはんぼん)」です。四半本の一頁分を更に半分にした大きさで、携帯などの目的で作製されたものと考えられます。この例(図3)の大きさは、8.1×12.2cmです。

Kokinwakashū 図3. 古今和歌集 二十巻一帖(八半本の例 8.1 x 12.2cm)
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小型の桝形本

小型の桝形本はかなり珍しいものです。通常の料紙を長辺の半分で切ったものから六半の作り方をしたもので、もとの大きさの12分の1となりますが、そうした呼び方はしないようです。『古今和歌集』(図4)は、10.4×10.2cmで、斐紙ではなくて楮紙系の加工紙を用いています。

square book 図4. 古今和歌集
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特大サイズ

極めて特殊なのは特大サイズのもので、鎌倉時代に鎌倉地方で作られたものに集中して見られるものです。図5の例『紫明抄』は、保存状態が悪かったために周りが切断されて綴葉装から結び綴に改められていますが、それでも21.9×28.5㎝もあるのです。

Shimeisho [ca. 1289] 図5. 紫明抄(特大サイズの例 21.9 x 28.5cm)
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Edo-period books come in more or less standard formats. We will learn about this in Week 3 of the course.

ビデオで紹介された書籍

1. 源氏物語・藤袴 2. 源氏物語・若菜 3. 源氏物語・花散里
4. 金葉和歌集 5. 敦忠集 6. 僻案抄
7. 近代秀歌 8. 新古今和歌集 9. 古今和歌集
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古書から読み解く日本の文化: 和本の世界

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