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和歌の写本

和歌の写本
© Keio University

綴葉装の主体であった四半本と六半本ですが、この両者には使い分けはあったのでしょうか。それぞれに保存された作品を確認していくと、そこにはある傾向を見出すことができます。巻子装になるかならないかの問題に倣って、ここでも和歌と作り物語の写本について確認してみたいと思います。

四半本

和歌作品を保存した綴葉装の古写本は、四半本のものが多く確認できます。慶應義塾大学が所蔵するものを幾つか挙げてみましょう。先に触れた『後拾遺和歌集』(図1)はその代表的な存在です。

*Goshūiwakashū* 図1. 後拾遺和歌集
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『古今和歌集』は醍醐天皇の命令で編纂された勅撰和歌集で、数ある歌集の中で最も尊重された作品であり、伝本も数多く存在していますが、この『古今和歌集』(図2)は13世紀末頃の書写です。

*Kokinwakashu* 図2. 古今和歌集
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個人の和歌を集めたものを「私家集(しかしゅう)」と呼びます。『重家集(しげいえしゅう)』は藤原重家(ふじわらのしげいえ、1128~1181)の詠歌を集めたもので、この本『重家集』(図3)はその最古写本で文字も美しいものです。

Shigeie-shu 図3. 『重家集』 [2] 四半本
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『後鳥羽院御鈔(ごとばいんみしょう)』(図4)は「後鳥羽院御口伝(ごとばいんごくでん)」とも呼ばれる作品で、詠歌の理念や知識などを記した歌論・歌学書に属するものです。この本もこの作品の最古写本で重要文化財に指定されています。

Gotoba-in Mishō 図4. 『後鳥羽院御鈔』[3] 四半本
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六半本

続いては六半本です。この本『廿八品并詩歌(にじゅうはっぽんならびにしいか)・現存卅六人詩歌(げんそんざんじゅうろくにんしいか)』(図5)[4]は死者の追悼や、室内装飾のために集められた和歌と詩をまとめた作品を書写したもので、やはりこの作品の最古写本です。

Nijūhappon narabi ni shiika/Gensonzanjūrokunin shiika 図5. 『廿八品并詩歌・現存卅六人詩歌』[4] 六半本
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またこの本『僻案抄』(図6)[5]は、有名な歌人学者である藤原定家(ふじわらのていか、1162~1241)の『古今和歌集』・『後撰和歌集』・『拾遺和歌集』の3勅撰集の注釈書で、室町中期を代表する歌人である飛鳥井雅康(あすかいまさやす、1436~1509)の書写になるものです。

Gotoba-in Mishō 図6. 『僻案抄』[5] 六半本
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和歌作品の形状

ここではめぼしいもののみを取り上げましたが、慶應義塾大学という枠を離れて広く見渡しても、勅撰和歌集を始めとする歌集類は四半本で仕立てられることが多く、六半本のものはこれに比べると少ないという傾向を認めることができるのです。

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This article is from the free online

古書から読み解く日本の文化: 和本の世界

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