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庶民に普及した『論語』

庶民に普及した『論語』
さて、江戸時代も安定期を迎えると、その『四書集注』が将軍や大名だけではなく、士大夫、一般庶民にまで読まれるようになります。

武士を養成する藩校はもとより、私塾においても必読の書として、幼いときから、「学んで時に之を習う・・・・」と暗唱することが、勉強の基本とされる時代になりました。本屋・藩校などは競ってその出版を行いました。

様々な学者が独自の読み方である訓点をふるようになり、江戸時代前期を中心に盛んであった林羅山の点(道春点 どうしゅんてん)(fig.1)は次第に他の訓点におされ、後半は後藤芝山(ごとうしざん 讃岐の人、高松藩儒)の「後藤点」(fig.2)に取って代わられます。

Old Book Fig.1 『道春点論語』
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Old Book Fig.2 『後藤点論語』
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他に、前期には、山崎闇斎(やまざきあんさい)の「闇斎点」(fig.3)、後期には佐藤一斎(さとういっさい)の「一斎点」(fig.4)などがよく使われました。

Old Book Fig.3 『闇斎点論語』
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Old Book Fig.4 『一斎点論語』
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藩校では、富山藩の「杏立点」(きょうりつてん)(fig.5)、などがありますが、現在でも地方の公共図書館に眠っているたくさんの江戸時代の古書のなかには、こうした『論語』が必ず混じっているはずです。

Old Book Fig.5 『藩版論語』富山藩
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書籍情報と高品質画像は特設サイトでご覧ください。

© Keio University
This article is from the free online

古書から読み解く日本の文化: 漢籍の受容

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