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様々な学問との融合

様々な学問との融合
江戸時代の学問の特徴として、朱子学ではない学問を大成する学者も現れたことがあります。

朱熹の解釈で読むのでなく、直接、聖人孔子に戻って『論』」に触れる一派(古学派)が現れ、伊藤仁斎(1627~1705)は『語孟字義』(fig.1)を著し、荻生徂徠(1666~1728)は『論語徴』(fig.2)を著しました。

Old Book Fig.1 『論語古義』
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Old Book Fig.2 『論語徴』
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そして、江戸時代後期には、朱子学や古学をも吸収して、文献の意味を客観的に考証する、考証学が勃興します。その祖とも言える松崎慊堂(まつざきこうどう 1771~1844)が読んだ『論語』(fig.3)もあります。満紙メモを加えて考証する姿勢が伺えます。

Old Book Fig.3 『論語』江戸刊・松崎慊堂書入
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『論語集説』(fig.4)はかつての漢文教科書『漢文体系』に収録された、安井息軒(やすいそっけん 1799~1876)の自筆原稿です。息軒は、徂徠学の父に学び、江戸で古賀侗庵(こがとうあん 1788~1847)に朱子学を学び、松崎慊堂に考証学を学びました。そして明治以降の漢学の大御所となりました。『論語』の注釈にもその流れがはっきりと伺えます。

Old Book Fig.4 『論語集説』
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こうして、『論語』は、平安時代から秘説として神聖化されてきた位置を、知識教養の基礎文献という位置に変え、人々を感化する智恵となって、今に読まれる永遠のベストセラーになったのであります。

書籍情報と高品質画像は特設サイトでご覧ください。

© Keio University
This article is from the free online

古書から読み解く日本の文化: 漢籍の受容

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