『唐詩選』とその注釈

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中国で出版された『唐詩選』

^{図1 『唐詩選』明刊本（16-17世紀）
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中国で出版された『唐詩選』の本来の姿。詳しい注釈を伴っています。

和刻本の『唐詩選』

^{図2 『唐詩訓解』17世紀前期刊
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全文はGoogle Book Project で公開(SEE ALSO[1][2]参照)}

内容はほとんど『唐詩選』と変わらないもので、注釈を伴って和刻本として出版され、17～18世紀にはある程度流布しました。

小さい版型の『唐詩選』

^{図3 『唐詩選』寛政4年（1792）刊
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全文はGoogle Book Project で公開(SEE ALSO[3]参照)}

荻生徂徠の弟子、服部南郭が校訂したもの。注を省いて本文のみにし、掌に収まるような小さな判型で刊行しました。初版は享保9年（1724）で、江戸の本屋小林新兵衛（こばやししんべえ）によって、江戸時代を通じて再版が繰り返されました。その他にも海賊版や地方出版など、およそ50種類以上の版本が確認されています。中国漢詩の本としては、江戸時代を通じて最大のベストセラーでしょう。

唐詩選の注釈書『唐詩選掌故』

^{図4 『唐詩選掌故』明和5年（1776）刊
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全文はGoogle Book Project で公開(SEE ALSO[4]参照)}

『唐詩選』の版元、小林新兵衛から出版された注釈書。千葉芸閣（ちばうんかく、1727-1792）という漢学者による注釈です。漢文の注が、本文の上部に配置されています。

『唐詩選国字解』

^{図5 『唐詩選国字解』2点 [左:天明2年刊本][右:寛政3年刊本]
出典：早稲田大学図書館古典籍総合データベース (SEE ALSO[5][6][7]参照)}

服部南郭の注釈と称するものですが、実態は、彼の講義ノートをもとにして別人が加筆編集したもの（全く別人の作という説もある）で、誤りも多いようですが、わかりやすいのでよく読まれました。これも小林新兵衛から出ています。早稲田大学図書館蔵本はともに服部南郭の子孫が所蔵していたものです。

『唐詩選画本』

^{図6 『唐詩選画本』35巻　天明8年（1787）～天保7年（1836）刊
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カラー画像は国文学研究資料館で公開(SEE ALSO[8]参照)}

『唐詩選』の詩一首ごとに、わかりやすい注釈とともに詩の情景を描いた絵を添えたもので、葛飾北斎も参加していることで知られています。

篆書体で印刷された唐詩選

^{図7 『篆書唐詩選五言絶句』宝暦3年（1753）刊
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全文はGoogle Book Project で公開(SEE ALSO[9]参照)}

^{図8 『篆書唐詩選七言絶句』宝暦6年（1756）刊
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全文はGoogle Book Project で公開(SEE ALSO[10]参照)}

詩を篆書体で印刷したもの。篆書は、印章の書体として江戸時代もよく用いられたので、さまざまな形態の字を学習するための教科書として作られたものでしょう。