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バイオマーカーとは何か

Biomarkers can be used for both prognostic purposes (how a patient will respond) and diagnostic purposes (whether a patient has a certain disease.
test tubes
© UoD and BSAC

欧州医薬品庁はバイオマーカーを次のように定義しています。

『…ヒトや動物の身体のプロセスや病気を追跡するために使用する指標。患者が薬にどのように反応するか、特定の疾患を持っているか、または発症する可能性があるかを予測するために使用する。』

したがって、バイオマーカーは、予後目的 (患者の反応の仕方) と診断目的 (患者に特定の疾患があるかどうか) の両方に使用することができます。

感染症のバイオマーカーには複数の形態が存在します:

  • 解剖学的 (心内膜炎における塞栓症のリスクと手術の必要性を予測するための増殖のサイズ)
  • ゲノム (アバカビルに対する過敏反応を予測するHLA-B *57など)
  • 生理的 (感染症の存在の予測因子としての体温上昇)
  • 生物学的 (非滅菌部位からの培養物中の細菌の存在)

ただし、日常用語では、最も一般的には「バイオマーカー」は生化学マーカーを指します (この定義に基づいて、多くの微生物学的診断検査も「バイオマーカー」に分類できることに注意してください) 。

全血球計算と白血球分類に基づいて決定される白血球数と左方移動 (つまり未成熟型顆粒球の増加) は、感染症の予測因子として長い間使用されてきました。

しかし、臨床的意思決定 (例えば、ビルのような「胸部感染症」のある患者に抗生物質治療を開始するか差し控えるかを決定する場合など) のための臨床的有用性は、特異性の欠如と、「炎症」と「感染」を区別できないという、より「モダンな」バイオマーカーさえもが抱える問題によって妨げられています。

細菌性感染症以外の病状の多くが、白血球数の増加と関連している可能性があるため、単に白血球数増加の有無に基づいて抗生物質治療の決定を行うと、患者の大規模な過剰治療につながります (また細菌性感染症の診断のための白血球数増加の感度も準最適であるため過少治療にもつながります) 。

細菌性感染症の有無を高い精度で診断できるマーカーの見通しは魅力的であるため、より優れたバイオマーカーの探求が何十年も続いています。研究された多数の潜在的な感染症用生化学バイオマーカーで、日常的な臨床使用に採用されているものはごく僅かです。臨床的に有用であるためには、これらのバイオマーカーは安価で、(理想的には治療現場で) 簡単に利用でき、短い所要時間と優れた検査性能特性 (つまり非常に高い感度と特異性) を備えている必要があります。

残念ながら、現在利用可能なバイオマーカーで、すべての基準を満たすものは存在しません。

感染症向けに最も広く使用され、研究されている生化学バイオマーカーは、C反応性タンパク質 (CRP) とプロカルシトニン (PCT) です。CRPは、治療現場での検査として利用できる、肝臓で産生される急性期タンパク質の一つです。最近のコクランレビューでは、一次医療における急性気道感染症の抗生物質治療の指針とするための、治療現場におけるCRPの使用に関する入手可能なエビデンスについて調査し、このバイオマーカーが抗生物質の使用を減らすことができるといういくつかのエビデンスがみつかりましたが、どの程度減少するかはまだはっきりしていません。

CPRは一部の病院では広く使用されているものの、入院患者に対する抗生物質使用の決定の指針としてのCRPの使用に関するエビデンスは遥かに少数です。私たちの個人的な経験では、CRP濃度が高い場合は、検査前に細菌性感染症に罹患している可能性が低くても、医師は抗生物質を処方する傾向があります。

カルシトニンホルモンの前駆体であるプロカルシトニンは、感染性と非感染性の炎症を識別する、CRPよりも細菌性感染症に対する特異性が高いという点でより優れた性能を持つバイオマーカーして提案されています。

PCTは下気道感染症において最も広く研究されています。ただし、その広範な応用は、より高額なコストと、現在のところ「治療現場」検査としては利用できないため、妨げられています。

PCTを指針とする抗生物質治療は、ランダム化比較試験 (RCT) においても、一連のPCT測定に基づいて成人の重症患者の治療期間を安全かつ効果的に個別化および短縮できることが実証されています。PCTは、敗血症患者の全死因死亡率の予後バイオマーカーとしての価値もあります。少なくとも重症患者では、値が低い場合、抗生物質の使用を差し控えるよう医師を説得する際にPCT測定の影響力はより小さいと思われることが、研究により示されています。

そのため、いかなる診断検査においても重大な問題が発生します。これは、先に細菌性感染に罹患している可能性を考慮する場合にのみ合理的に解釈できます。重度の細菌性感染症の検査前確率が高い場合 (例: ICUに入院した敗血性ショックの兆候と症状を伴う患者) は、正常範囲のバイオマーカーは、抗生物質治療を差し控えるための根拠として使用すべきではありません。逆に、細菌性感染症の可能性が低い患者 (例: 重症の兆候がない上気道感染症の症状のある患者) は、バイオマーカーが高くても、抗生物質で治療すべきではありません。

要約すると、感染症のバイオマーカーは、それらが理性的に使用される場合に限り、外来患者と入院患者の抗生物質への曝露を減らすための有用なツールとなります。不適切に使用すると、抗生物質の使用量が増える場合もあります。私たちはまだ「完璧な」バイオマーカー (理論上のみ存在する可能性が非常に高い) を手に入れる段階にはほど遠いため、バイオマーカーをその他すべての利用可能なツールと併用する必要があります。

© UoD and BSAC
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抗菌薬適正使用と薬剤耐性管理

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