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産地名でよばれる和紙

産地名でよばれる和紙
© Keio University

紙は、古くから日本各地で生産されてきました。時には地域の貴重な財源となり、その技術は今も大切に伝承されています。

A map of papermaking towns in Japan
図1 日本の和紙生産地(『和紙の手帖 英語版』全国手すき和紙連合会、1991年)
拡大図

紙にはそれぞれの産地によって特徴があり、紙の呼び名としてその産地名がつけられている紙があります。紙漉きの場面で紹介した細川紙もその1つです。

ただし、産地名で呼ばれる紙でも単一でないことがあります。地図があり、道路が整備されている現況とは異なり、川があふれると遮断されてしまうような時代では、同じ産地の名前がついていても、さらに細分化された村々で、それぞれ独自の紙漉き技術や原料を用いており、仕上がった紙も異なってくるからです。奈良県の吉野で漉かれている紙がその良い例です。

ここでは、本に使われた紙で、産地固有の特徴を持つ、代表的な5つの紙について、東から西へと順を追ってご紹介します。

西の内紙(にしのうちがみ)

paper 図2 西の内紙

現在の茨城県で生産された、楮を主原料とした厚手の紙。

西の内紙は、現在も少量ながら生産されています。用途は強靭性を活かして工芸用、記録用、傘紙用など多方面にわたります。

この一例として紙縒り(こより)があります。紙縒りについてはステップ2.7をご覧ください。

細川紙(ほそかわし)

paper 図3 細川紙

現在の和歌山県に位置する、紀州・高野町細川村で生産された紙ですが、江戸時代に細川村から埼玉県秩父市へ伝えられています。この技術伝搬は、江戸幕府による転封の影響という説があります。

見た目の美しさだけではなく、紙そのものの強靭性が細川紙の特徴です。

2014年に「和紙:日本の手漉和紙技術」としてユネスコの無形文化遺産に登録されました。

美濃紙(みのがみ)

paper 図4 美濃紙

美濃地方、現在の岐阜県で生産された、楮を主原料とした紙。702年から生産されている記録が残っています。

江戸時代には美濃紙のサイズが本の大きさの基準となるほどの生産量・流通量がありました。 美濃紙は約 39×27 cmの大きさです。これを半分にしたサイズの本を大本(20×27 cm)、そのさらにその半分のサイズの本を中本(13×19cm)と呼んでいます。

江戸時代中期以降になると、同サイズの紙が他の地域でも作られるようになり、美濃紙と同様に楮を原料にした同サイズの紙であれば、美濃以外で作られた紙でも「美濃紙」と呼ばれるようになりました。

紙屋院(ステップ1.16)の時代以前から漉かれている紙です。年代がわかる日本最古の紙(702年)として、美濃で作られた紙に書かれた戸籍が残っています。 2014年に「和紙:日本の手漉和紙技術」としてユネスコの無形文化遺産に登録されました。

本コースと同じ古書シリーズの「古書から読み解く日本の文化: 和本の世界(Japanese Culture Through Rare Books)」コースでは、日本の書物の多様な大きさについて紹介しています。興味のある方はぜひ合わせて受講してみてください。

越前奉書(えちぜんほうしょ)

paper 図5 越前奉書

越前地方、現在の福井県で生産された紙で、楮を主原料としています。「奉書」とは政府などからの公的な通知に使用される文書のことで、中世(1185-1602)以降、越前地方で作られた紙が、この奉書として利用されています。

なお、越前地方では奉書以外にも調度品の襖の上張りに用いる雁皮紙で作られた襖(ふすま)紙も有名です。

石州半紙(せきしゅうはんし)

paper 図6 石州半紙

石州という名前は、この技術が始まった石見地方(いまの島根県)から来ています。その原料は、楮、三椏、雁皮です。強くて粘りがあり、丈夫な紙として知られています。

水にも強く、帳簿や障子紙、書画用紙などの日用品に用いられます。また、西の内紙と同様に、紙縒りにも用いられます。ステップ2.7)では、石州半紙を用いた紙縒りの作り方を紹介していますのでお楽しみに!

2014年に「和紙:日本の手漉和紙技術」としてユネスコの無形文化遺産に登録されました。

調べてみましょう!

このように日本各地で様々な紙がつくれた背景は何があったでしょうか?皆さんの周りで紙作りで有名な地域はありますか?どのような特徴がありますか?どのような目的で利用されていますか?

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This article is from the free online

古書から読み解く日本の文化: 和本を彩る和紙の世界

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