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砂子紙・箔置紙

砂子紙・箔置紙

これまでに見てきたものは、染料を用いるにせよ基本的に紙だけを用いたものでしたが、続きましては紙に鉱物系の素材を加える装飾について説明いたします。

マルコポーロの『東方見聞録』には、「黄金の国ジパング」と、金にあふれた国であると日本が説明されていますが、日本の古い書物を見ていると、この記述があながち嘘ではないと納得できるほどに、金箔や金泥によって豪華な装飾が施されています。また金のみではなく銀も同様に用いられました。こうした鉱物を利用する例として忘れてならないのは、雲母(うんも)を利用したものです。雲母を粉にしたものを、糊として用いられた膠(にかわ)に混ぜてキラキラ光る透明な絵の具を作って紙を装飾したのです。顔料を加えてキラキラの絵の具を作ることも行われました。

こうした鉱物を用いた装飾紙は、鉱物の形状で呼び名が分類されています。粉状のものを用いたのが砂子紙(すなごがみ)で、金箔と銀箔を用いたのが箔置紙(はくおきがみ)です。

砂子紙は、糊を塗った紙の表面に金銀の箔や雲母などの砂状の粉を撒いたもので、密度を調節したり、型紙を用いることによって模様を描くこともありました。

箔置紙は、金銀の箔を様々な形に加工して、糊を塗った紙に貼りつけたものです。 箔は形により切金(きりかね)・切箔(きりはく)・裂箔(さきはく)・揉箔(もみはく)・野毛(箔)(のげ(はく))等と呼ばれます。この内の一種類だけを用いたものもありますが、金銀のいくつかのものを組み合わせて装飾するのが一般的でした。

ビデオでは、金銀の箔を用いた古い書物と断簡の例をご覧ください。

ビデオで紹介されている書物

books on the table

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古書から読み解く日本の文化: 和本を彩る和紙の世界

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